腰が抜ける

今日もピーカン、雲ひとつない快晴!サイコー!


朝、相方と一緒に、相方ママのところへ向かう。
5月に結婚を控えているカップルも合わせて、
ママ宅近くのフレンチレストランで、ランチの予定。


家を出て、天気もいいので気分良く、駅に向かって
早足で青信号を渡っていると、
右前方向から1台のRV車が右折してきた。


いつもと変わらぬ光景。
車は白線でストップする。


はずが、なんとそのまま進んできちゃったよ〜、この車。


私よりちょっと前を行っていた相方は、「NO!」と叫んだ。
手を伸ばして車を止めようとしているのが目に入り、
私もとっさに右手を伸ばす。
たぶん、「わ〜〜〜!」とか、叫んでた。


しかし、所詮人間なんて金属の塊には勝てっこないね〜。


右半身にドスンと衝撃を感じて、一瞬記憶が飛ぶ。


相方が車のボンネットを叩いて、ドライバー相手に
何か叫んでいるようだ。


目の前には光も画像もなく、真っ暗なのに、
「こんな時は、車の情報が大切だ!ナンバーを覚えないと!」
と、頭の中では自分にプレッシャーをかけている。


気がついたら、自分の目線はアスファルトにごく近い
ところにあって、相方が必死で名前を呼んでいる。
「カナオ!Are you all right?」


心臓が、ドキドキしている。
とにかく、生きてるみたいだな・・・と実感しながら、
こんな道の真ん中に倒れていては交通の邪魔になるやろ、
と冷静な判断。
半分パニックになっている相方の言葉をよそに、
「うん、とりあえず側道に座らせて!」と、
ヨレヨレになりながら、連れて行ってもらう。


ドライバーも車を降りてきたようだ。
逃げなかったんだな・・・ひき逃げにならなくてよかった!


「Are you all right? アイムソーリー、アイムソーリー」
を繰り返している。
アメリカって、事故に遭ったら簡単にアイムソーリーって
言ったらだめって教わったけど、この人は簡単に謝るな。
なんて思っていたら、
911(救急車)に電話しなければ!と彼(ドライバー)が言うので、
相方が急いでそうする。
私は頭は動くけど、ショックからか体が思うように動かせない。
ドライバーは、相方にどうして止まらなかったか、
などを説明しているようだ。
結構早口なので、聞き取り難いけど、言い訳をしているふうには
聞こえない。
「自分の非を認めているっぽいね、この人?」
とかいろいろ考えていたら、
「ああ、私は交通事故に遭ったんだな〜」と
急に現実に戻ったようになって、体が震える。
手が、変な風に固まって、ガクガクしている。
ビジュアルが、既に怖い。
ぶつかった方の右足も、少しだけ膝が痛いのだが、無理に
動かしたらもっと痛いかも!と思うので、どうにもできない。
髪の毛も長いまま留めていなかったので、ボサボサで前に
かかっている。
今思えば貞子のよう。(笑い事ではないが・・・)


そうこうしているうちに、救急車とパトカーがやってきて、
あれよあれよと私に簡単な質問を浴びせた挙句、クビに
ムチウチ用のあれを巻きつけられ、ストレッチャーに載せられ、
テープでガチガチにされて救急車内へ。


どこが痛いか、とか聞かれるけど、どうもはっきりしない。
痛いような、痛くないような。
膝と、腰と、首は、痛いのがわかる。
あとは、打撲のせいなのか、ストレッチャーに巻きつけられて
痛いのかがよくわからず。。。(苦笑)


結局、幸い外傷はないようだけど、打撲で内蔵などに影響がある
可能性もあるから、病院に運びましょう、ということになった。


げ〜!アメリカで救急車って、高いんじゃないの?!
とか、経済的な心配を優先してみるも、あえなく発車。
幸い、さっきまでパニクり気味だった相方ががんばってくれ、
ドライバーの連絡先やらなにやらを、私がチェックを受けてる
間に聞きだしておいてくれたらしい。
「あの人、保険に入ってたらいいけど・・・」


ある市民病院のERへ。
まぁまぁイケメンな医者が、骨などに異常がないか、
診てくれた。
内蔵損傷のチェックのため、念のため尿検査も。
結果はいずれも、ノープロブレム!


とはいえ、、、レントゲンを撮ったわけではないので、
100%安心していいということではないらしい。
車の事故の場合、数週間してから症状が出ることも
結構あるらしいので、とりあえず様子をみましょう、とのこと。


テレビのERほどではないけど、口から血が出ていたり、
足に裂傷があるのに、なかなか縫ってもらえない患者などを
目にして、多少びびる。
奥さんが、
「ウチの旦那はもう2時間も縫合待ってんだけど!」
って怒っても、スタッフは
「5時間待ちとかになることもあるから」
と、適当感満載。
早く、縫ってあげて下さいよ〜〜!
ERっぽい雰囲気を多少なりとも感じつつ、とりあえず無事帰宅。


ランチの予定が台無しになってしまったので、
帰りの道すがら、テイクアウトでお昼を買ってきた。
辛いけど、おいしいJerkチキン。
食欲がなくなってないってことは、大丈夫な証拠!


相方と黙々といただいていると、例のドライバーから電話。
本当に申し訳ないということと、早速保険会社に連絡したいので、
私の名前やら住所などの情報を教えて欲しいとのこと。
うんうん、誠実そうな人だ。
このまま、ごまかしたり逃げたりすることはなさそうなので、
ちょっとホッとした。
(まぁ、警察も来てるから、逃げることはできないけどね・・・)


ところで、先ほどから、医者に言われたように、
少しずつぶつかったところが痛くなってきた。
市販の痛み止めを飲んでいいよ、と言われたけど、
この際どこが痛むのかをわかってたほうがいいかもしれないので、
もう少しガマンしてみよう。


今日のことは、少なからずショック。。。
身内にも、交通事故に遭ったり、起こしたりという人が
いなかっただけに、どこか他人事だったなぁ。
いざ、自分の身に降りかかると、こんなことなのか!と。


運よく、右折中の車だったから自然に減速もされていたけど、
あれが信号無視の暴走車だったら、私はここにはいないかも。
ドライバーが言うには、右折中に横を通り過ぎていった
スピード出しすぎの車に完全に気をとられて、
右折側の歩行者には注意を払っていなかったらしい。
単なる、うっかりミス。
それでも、打ちどころや運が悪ければ、たいへんなことになるんです。


私も日本では車に乗りますが、本当に気をつけないとな!と
身が引き締まる思い。


車は、凶器です。


ドライバーのみなさん、安全運転お願いしますね〜!