狙われている!

なんともいい雰囲気・・・

今日は朝からアントワープの街を散策することに。
それぞれ目的が違うので、待ち合わせ場所と時間だけ決めて自由行動。


こういう静かな街は、ひとりでゆっくり見てまわるのが楽しい。
中心を離れ、ひっそりとした住宅街へ足を踏み入れると、耳がツーンとするほど静か。本当に住民はいるのか?と思うくらい、歩行者もほとんどいないし、何の物音も聞こえない。
寒いからなのか、土曜日だからなのか???


途中、教会が目に入ったので暖をとるため入ってみた。
観光客の少ない、これまた静かな教会。久々のフランス語(アントワープフラマン語圏です)が耳に飛び込んできたので、そろーっと近づいてみると、フランス語のガイドがいるらしい。何か聞けるかと思ったけど、専門用語が多くてよくわからない。「ボンジュール」の一言で、コミュニケーションは終了(笑)


静かな空間でゆっくり過ごすのもいいもの。椅子を拝借して、ゆっくりと天井や壁の装飾を楽しんだ。

・・・とそのとき、なにやら視線を感じるので目を向けてみると、5メートルほど離れたところで、一人の青年がジーっとこちらをみている。フランス語のグループと私以外誰もいない教会。彼が見ているのは、明らかに私の方向。とりあえず目線を外す。


〜〜なんだか、イヤな予感〜〜


そっと立ち上がり、場所を替えてみる。
振り返ってみると、やはり、こちらを見ている。
私が彼を見ると、じっと視線を合わせてくる。
どう考えても、怪しい・・・


教会の反対側の回廊へ、少し早足で移動してみる。
まだ見ている・・・


これは、確実に狙われてるな・・・


では、何が狙われているのだろう?
高価なものは何ひとつ身に着けてはいない。
私自身?(自意識過剰気味)・・・それもなさそうだ。
となると・・・デジカメか?
確かに、天井や壁の装飾が面白いので、何枚か写真を撮った。いちいち鞄にしまうのも面倒なので、手にストラップを引っ掛けたままポケットに入れている。


もう一度男を見ると、やはりこっちを見ている。
ここまで来ると、視線を外すのも不自然。
視線を合わせたまま、カメラを鞄に入れ、大げさにチャックを閉める。
すると、明らかに男の目の色が変わった。
やはり、デジカメだったか・・・


そろそろここを出ないと、やばいことになるかもしれない・・・
教会内には、先ほどのフランス語のグループと私とこの男だけ。
しかしグループの人たちは話に夢中で、私とは対角線上の遠いところにいる。
男の手元を見るが、ポケットに手を入れているので凶器を持っているかもわからず・・・。


立ち上がり、視線を合わせたまま出口へ向かう。
これで、一歩でも近づいてきたら走るしかないと・・・。


その時、入口から一人の女性が入ってきた。ドアを手で支えてくれている。
男に聞こえる大きな声で「ダンクー(ありがとう)」と言い、教会から出て、ものすごいスピードで人がいるところまで走っていった。


振り返ると、男はいなかった。


ふぅ、さすがに人ごみにまでは追いかけてこないか。よかった・・・
その後、友人たちと無事合流。


ステキなアントワープでの散策も、なんだか後味の悪いものになってしまった。あの男め!


パリでは遅い時間でも、比較的安全に過ごしてこられたせいか、私自身の安全意識にも落ち度があったかもしれない。デジカメも古い機種だし、いざとなったら壊れても仕方ないというもの。それでも、むやみに見える位置で携帯するのはよくなかった。
そして、言葉が通じない場所での行為は、普段以上に気をつけなければならないな・・・と再確認した。


その後我々一団は、なぜかMaastricht(マーストリヒト)というオランダの街へ。
またしても散々迷った挙句、なかなかホテルが見つからず・・・。どうにか泊まるところが決まったときには、もう外は暗くなっていた。


でも、夕食後に入ったとバーのおかみさんがものすごくいい人で、英語もフランス語も全然できないけど、何とか注文をしていい時間を過ごした。


今朝の嫌な出来事も、これですっ飛びましたわ(笑)