警察沙汰

歌うカミラとギヨーム

今週末は、帰国ラッシュ。
そしてベルギー車の旅を一緒にしたブラジル人のカミラは、みんなより一足早く金曜日にパリを発つらしい。
ということで、ステファニアの時と同じような感じで、最後の夜をめいっぱい楽しもう!ということになった。


先生の勧めで、とりあえずはいつも集まるあのアパルトマンで、持ち寄りパーティ。
ところが今回は、ちょっと事情が違っていた・・・

20時を過ぎた頃から、隣人(おそらく上階)が「うるさいよ!」の合図を送ってくる。床をドンドンと蹴って。確かに10人近くいるから多少はうるさいけど、この時間に言ってくるのは稀。
少し声のトーンを下げて、更にパーティを続けていると・・・。
22時くらいに、電話が鳴った。
家の電話が鳴るなんて???
ギヨームが受話器を上げる。さっと顔色が変わる・・・。
「ポ・リ・ス」 と唇を動かして、シーの合図。
皆、一気に静まり返った。


英語とフランス語を取り混ぜて、一生懸命話をしている。
前からわかっていたことではあるけど、この隣人には幼い子ども(赤ん坊?)がいるようで、結構早い時間帯から静かにするよう注意を受けることがあるらしかった。しかし、反対に深夜2時3時になると、この子どもの泣き声がアパルトマン中に響き渡り、これまた隣人たちは大変な目にあっているらしい・・・。


さて、こんな時どのように状況を理解したらいいのでしょう?
1. 子どもは国の宝です。皆で子どもを守りましょう。子どものすることは仕方ないのです。と理解する。
2. 周りに迷惑をかけるのはお互いさま、ある程度のところまで譲り合って、よりよい暮らしを求めましょう。


日本では、はっきり言ってマンションでパーティなんてほぼありえない。パーティはレストランやバーでするものという意識がある。こっちでは、場所によっては恐ろしいほどの騒音を出しても許される場合がある(事前の告知がベター)
難しい、非常に難しい。
日本人としては、ラテン系友人たちの言うこと(同じ家賃を払っているんだから、楽しむ権利がある)もわかるし、隣人の言いたいこともよーくわかる。マンションは静かに住むもの・・・だから。
でもここはフランス。家でのパーティはよくあること。
ううーむ、私には答えが出せない。


とにかく今晩は警察の忠告を静かに受け入れ、微妙な空気のままお開きとなった。


その後、踊りの好きなカミラは最後に弾けたいというので、事前に決めていたシャンゼリゼにあるディスコへ。
ここでは、またしても嫌な思いをすることに。



理由もわからず、入店を拒否された私たち。
納得がいかないので、入店者のよりわけをしているおっさんになぜなのかを聞いてみると、
「今晩はフランス人のためのパーティだから。君は学生?じゃ、学生は明日(木曜)来なさい」
と言うではないか。
「では、国籍が問題で入れないということですか?」と聞きなおすと、「そうだ」という。
しかし、入場できている人たちを見ると、特別IDチェックはされていない。
確かに私たちのフランス語を聞けば、フランス人ではないことは一目瞭然。
でも、なんだか納得いかない。フランスとの二重国籍の友人がいるので、再度聞いてみる。
「私はフランスの国籍を持っているが、それでも入れないのか?」
男は目をそらし、「私は何も聞いていない、聞こえない」
なにそれ、じゃ、結局なんの意味もないじゃないの。適当に理由を並べただけ。
同じく入店を拒否された人を見つけたので、話しかけてみると、彼らはれっきとしたフランス人だった。
彼らも、先週は入れたのに今週は入れないという。
ちょっとおしゃれして入る店だと聞いていたので、それなりにはりきった格好をしたつもり。まさかファッションに問題が?とも考えたけど、どうみても入場を許可されている人たちの中には、みすぼらしい格好の人もいる。
ゲイの多い店なので、それが原因か?とも考えるが、ノーマルカップルもちゃんと入店している。


結局理由はわからずじまい。
ラシズム(人種差別)だ!と怒りだす友人もおり、これまた雰囲気悪し。


仕方ない、一度拒否されたらどうやっても入ることはできなさそうだ。さっき話をしたフランス人たちが、ノートルダム寺院近くのカラオケバーを知っていると言うので、仕方なくそちらへ移動し、少しだけ過ごして帰った。


いやはや、なんとも、後味の悪い一日だった・・・